2017.09.21 Blog #005

【開催報告】8/18多拠点居住推進会議


正解のないライフスタイルをじぶんで・みんなで考えよう

 これまで流動創生は、地方滞在の企画StopOverや、全国巡業の企画RoundTripを通して、地方にも暮らしの可能性があるということ、またそれはひとところへの移住だけでなく短期間での関わりや、いくつもの地域と関わる形もありえるのだということを提唱してきました。
これらのイベントでは、各地での地域活動や地域住民との交流などの実践部分を進めてきましたが、じっくり考えをまとめたり他の人と意見を交わす場も必要です。
今回は流動創生の命題のひとつ「多拠点居住」に絞り込み、ストレートに「多拠点居住推進会議」と銘打ってイベントを開催しました。
多拠点居住推進会議 特設サイト

会場となったのは東京駅からほど近く、福岡銀行さんが運営しているシェアオフィス「DIAGONAL RUN TOKYO」。福岡の企業だけでなく、全国の地方プレイヤーの前線基地や情報収集の場として設立され、スペースの一角がなんと芝生になっています。
この芝生会場いっぱい、50名を超す「ひとところにとどまれない」人たちが集結しました。イベント開始前から、特に何も案内していないのに参加者同士でワイガヤが始まる、芝生会場の不思議。

なんで多拠点?地方・ライフスタイル・社会課題

さて、イベントは「なんで多拠点?」を考えるプレゼンテーションからスタート。まずは参加者のみなさんに、何に関心があって「多拠点会議」に来たかを聞いてみました。

A:地方に住みたい働きたい
B:場所を問わない暮らしに興味がある
C:社会課題として地方をなんとかしたい

これを読んでいる皆さんも考えてみてくださいね!今なぜこの記事を読んでますか?


会場に挙手制で聞いてみました。(複数回答可、結果は目算)

A:地方に住みたい働きたい…20%
B:場所を問わない暮らしに興味がある…50%
C:社会課題として地方をなんとかしたい…50%

「Aが多いんじゃないかなー」と思いながら選択肢を考えていたんですが、意外にB、そしてCも多かったです。地方側の自治体職員さんや民間企業さん、地域おこし協力隊の方等も来てくださっていて、そこにはCの「地方をなんとかしたい」という思いがあります。
実はそんな、多拠点「したい側」と「受け入れたい側」が出会う場が必要だと思っての本イベントでもあります。

多拠点「したい側」は、「田舎暮らしをあちこち試してみたい」という動機であれば、将来の田舎1拠点をイメージして、例えば物件探しや、ずっと田舎にいてできる仕事を考える必要があります。そうではなく「長期的なライフスタイルとしてあちこち回り続けていたい」という動機であれば、ずっと田舎にいるというよりはいつもどこか動き回っているということを前提に、どういう場所に居住(滞在)できるか、どういう仕事の仕方ができるかを考える必要があります。
多拠点居住したい、と一口に行っても様々な動機があり、それぞれの目的によって多拠点生活をどう設計すればよいのかが違うわけです。

多拠点実践者、地方受入者、働き方提唱者でディスカッション

今回ゲストとして登壇いただいた4名に、それぞれ異なる切り口で多拠点居住についてお話いただきました。


片山さんはDIAGONAL RUN TOKYO(以下「DRT」)のスタッフで、群馬・東京・ときどき福岡の3拠点活動者です。群馬でトマト農家をしているお兄さんのお手伝いに週の半分、そこから車と電車を乗り継いで東京のDRTで残り半分、また群馬に戻って…という週のサイクルで暮らしていらっしゃるとのこと。
なんとなく地方で農業に関わるとなると完全にIターンしなくちゃいけない、収入源も現地で探さなきゃ…といったイメージが強いものですが、片山さんは、もともとDRT運営者と知り合いで、片山さんが地元に帰ろうかと考えているときに、DRTでの週半分勤務を提案いただけたのだそう。
個々人の熱意も大事ですが、それに寄り添って就業方法を柔軟に考えてくれる企業の存在は大きいなと感じます。

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寒川さんもDRTスタッフをしながら「cokowill」というご自身の事業を運営していらっしゃいます。
もともとリクルートさんの人事のお仕事をされており、キャリアに関するコーチング等をスキルを活かして、セミナーやWebメディアの運営を通じて自分らしい働き方に「『ふみだす一歩』を支援」しています。働き方を考える方にはやはり「リモートワーク」等場所を問わない仕事を駆使して、地方に拠点を置きたいと考えている方もいらっしゃるとのこと。


菊地さんは地方勢代表、岡山県瀬戸内市からの参戦です。日頃は地域の移住支援に関する仕事をされています。
実はご自身も若い頃、まだ多拠点居住はもちろん地方移住というような流れさえほとんどなかった時代、インターネットの興隆を目の当たりにし、早くからコンサルティングやデザイン等といった「場所を問わずにできる仕事」を意識してやってきたのだそうです。

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南越前町からは生粋の役場職員で生粋の福井県民、治内(じうち)さんが登壇。イマドキの働き方暮らし方を実践されている他の登壇者のお話に興味津々の様子でした。

治内さん「片山さんは群馬と東京の二拠点で暮らしているということですが、お住まいはどのようにされてるんですか?」
片山さん「東京側には家を持っていないんです。友達の家に泊まったり、ホステルを利用していますね」

週半分は自分の家でない(厳密に言えば残り半分も実家)という暮らしには皆さん驚いていました。

菊地さん「自分だけの場所がなくてもいいという感覚は、多拠点居住に重要かもしれませんね」
拠点や仕事だけでなく、マインドの重要性も、実際にお話してみてわかるものでした。


「問い」同士のぶつかり合いが「形」を生む

登壇者の会話もインプットに、参加者同士で3~4人くらいの輪をつくってもらってお話してもらいました。先程聞いてみたようにグループ内にもAの人、Bの人、Cの人、様々な思惑を持つ方がいる中で、みなさん活発な意見交換をしていただいたようでした。


その後、グループでの会話を踏まえてもう一度全体会議へ。

地方で拠点を見つけることはできるのか?
働き方改革が進まないとライフスタイル変革は難しい…どのように進めれば?
地方で仕事をさがすのは難しいと言われるけれど、実はチャンスもあるらしい!
いくつもの田舎と関わること…「ふるさと」についてどう思う?

多拠点居住という明確な形のないライフスタイルに、参加者、登壇者、その場にいる人々が「自分ゴト」と紐づけ、「問い」を提示し、そこにまた他の人の「自分ゴト」が差し込まれていく。その過程で少しずつそれぞれの頭の中に「形」が見えてくる。そんな場になりました。
本当はもうその場の全員の意見を聞きたかったんですが(良いアイデアがたくさん飛び交ってたんだろうな…!)時間の都合で本会議は終了。その後の多拠点素材ごはんでの交流会で、さらに皆さんの間でシナプスが繋がっていったのではないかと思います。


見えてきた壁にハシゴをかけよう、穴を空けよう

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今回はじめて「多拠点」のキーワードでイベントをやってみて、都市部ではすでに大勢の人が多拠点居住に興味がある、むしろ隙あらばやりたい!という意気込みをひしひしと感じました。あとは仕事や拠点を「多拠点居住」でどう成り立たせていけるのか、といういくつかの壁が立ち塞がっている状態かと思います。逆に言えば、壁は見えているのであとはハシゴなり抜け穴なりを探して、あるいはそれを造って乗り越えるだけ。
今後も引き続き、またもっと具体的に、より多拠点実現に手をかけていく場をつくっていきたいと思っています。

みなさんの手にはおそらく、イイ感じの金づちや木材が握られています。あるいはイカしたブルドーザーに乗っていたり、イケてる設計図を持っていたりするかもしれません。是非次回の多拠点居住推進会議へ、それぞれの「道具」や「アイデア」を持って参戦してもらえたら嬉しいです。

★今後のイベント展開は当サイトおよびfacebookでお知らせしていきます。是非チェックしてくださいね。
流動創生facebookページ

(文=流動創生運営チーム/Takshif荒木幸子

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