2018.03.08 Blog #007

多拠点で地域と関わる4つのパターン


地域が喜ぶ4つのよそ者アクション

多拠点居住や関係人口等、複数の地域で活動したい、関わりを持ちたいという考えが広まり始めています。しかし、具体的に地域と関わるにはどうしたらいいんだろう、地域に行って必要とされるだろうかと考える方も多いかもしれません。

流動創生は、これまでに南越前町への滞在企画や全国各地への巡業企画を通して、よそ者が地域を訪れて地域が関わること、特にそれが地方から東京からのお客さんへの「おもてなし」に終始せずに、なんらかの形で地域の役に立つ、地域の力になるアクションについて、仮説立て・検証を重ねてきました。
その結果、今のところざっくり4つに分類できると考えています。

・ニギヤカシ型
・労力提供型
・問題解決型
・自己活動型

順番に説明していきましょう。

◆ニギヤカシ型
よそ者の来訪それ自体が非日常の出来事になり、地域の人に交流を楽しんでもらったり、学びや気づきを得てもらったりするパターンです。
流動創生が実施する南越前町滞在企画では、都会から来た滞在者が地域の交流会に飛び込むことがしばしばあります。こういった場でも、滞在者が地域住民に他地域の話をしたり、地域住民が滞在者に地域の話をしてあげたりすることを、地域住民も楽しんでいる様子がうかがえます。いつも見慣れた顔しか集まらない地域の恒例イベントで、よそ者が活躍しイベントを盛り上げるということもありました。


◆労力提供型
よそ者が地域の活動に労力で貢献するパターンです。
流動創生拠点に滞在する人には、繁忙期の農業やイベントの準備等、人手がいる地域の仕事や活動にお手伝いにはいってもらっています。援農や会場設営等の作業には特別な技術は要らないので大概の人が参加できますし、地域の人に作業を教えてもらったり声を掛け合いながら協働したりするので、信頼も得やすく、その後のコミュニケーションも円滑になります。


◆問題解決型
地域の人たちだけでは解決しない困りごとに対して、よそ者が能力や知識を提供し解決を図るパターンです。
例えば、製品のブランディングや販売戦略についてあまり明るくない農家さんや地域活動者はまだまだ多いのが現状です。そういった方の話を聞き、どのように進めればよいかアドバイスしたり、一緒に進めてくれる外部人材は貴重です。

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◆自主活動型
よそ者が持っている特別な技術や知識を活かし、地域でお店やイベントを出す等で披露・提供するパターンです。
これまでの例を見ると、アーティストがイベントで作品を披露したり、マッサージ師が臨時のマッサージ屋さんを拓いたり、盆踊り好きが盆踊り大会に乗り込んだりと、よそ者自身の主体性によるところが大きいです。ただし、企画を準備したり、会場を設定したり、地域のお客さんにお知らせをしたり等、現地での事前準備がそこそこ必要になるため、受け入れる人のサポートが必須になります。


関わり方を順番に深めていく

これら4つの関わり方は、どれが重要かということではなく段階的に必要なものです。
例えば、よくある例ですが、自分のコンサルティングを地域に売りたい業者が突然地域に入ってきて「お困りごとはないですか?」と家々を訪問しても、多くの地方では怪しまれて遠ざけられてしまいます。問題解決型や自主活動型からスタートするのは難しいのです。
しかし、ニギヤカシ型や労力提供型で、地域の人たちと仲良くなり信頼を得てからだと、お互いにやりとりがスムーズです。

たわいのない会話の中で「普段はこういう仕事をしているんです」と話すことで「じゃあ今度うちもお願いしたいんだけど!」と地域の人から依頼されることもあります。また、よそ者自身が「この人のこの困りごとについて役に立てそうだな」とか、「自分のサポートは必要なさそうだな」など、自分が立つポジションを判断するうえでも、ニギヤカシ型や労力提供型から入ってライトなコミュニケーションから始めることは重要です。

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得意分野を組み合わせてチームで関わっていく

上述から言えば、1のニギヤカシ型からのコミュニケーションは必須とも言えますが、コミュニケーションに自信のない人は地域に入り込めないかと言えばそうとも言えません。自分とは別のニギヤカシ型の人と一緒に組んで地域に入れば、ニギヤカシ型の人が拓いた窓口から、問題解決型や自主活動型で地域に貢献することもできます。これは、瞬発力はあるけれど問題解決の継続力はあまり…というニギヤカシ型の人にとっても良いパートナーシップと言えます。

あるいは、地域側である程度コミュニケーションを仲介してくれる窓口的な人がいれば、その人との協力関係で3.4.を進めることもできます。地域おこし協力隊は地域とよそ者の仲介者の代表的な存在ですが、彼らの多くは担当エリアを広く見ていて、地域内の個々の事業や課題を深掘りできないパターンも多いからです。

このように、都市部の人々と地方の人々の関わりには段階と組合せがあります。ニギヤカシ等のライトな関わりから順番に進めていく方法、タイプの異なるプレイヤーが協力し合って関係のリレーを繋いでいく方法があります。

都市と地方の在り方は人によって捉え方が様々であり、ちょっとした思い込みや思慮不足によって嫌な思いをさせてしまうと、「地方なんて」「よそ者なんて」と関係自体を断絶してしまう恐れもあります。

なるべく多くの人が、良い地域、良い人に出会い、お互いが良い形で支え合うためには、自分はどういったタイプなのか、相手はどんなことを求めているのか、協力できる仲間がいないか等に考えを巡らせてみることが大事です。

文=荒木幸子(Takshif)、編集=山岸竜也

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