2019.12.05 Blog #014

【RoundTrip2019レポート】福井県南越前町~奈良県大淀町~鳥取県大山町

旅への新たな可能性

RoundTrip2019を9/14~18に開催しました。2015年からスタートした当企画、6回目となる今回は学生研究者向けの地域訪問として開催することにしました。

流動創生事業は、多拠点や旅暮らしといった「流動的なライフスタイル」を提案・推進してきました。事業の一企画であるRoundTripは、短期間で全国を巡ることで、参加者の方に「いくつもの地域に触れながら暮らしていくイメージ」を掴んでもらうことを目的としてきたものです。
実は6回目の開催に向けた企画を考えていく中で、「乗り手は『旅人』だけなのだろうか?」という疑問が出てきました。複数の地域と繋がることのできるRoundTripは、例えば地方地域について知りたい、考えたいといった人に、あらたしいテーマを発掘する場を提供できるのではないか。
RoundTripは1地域の滞在時間がどうしても短くなります。そんな条件の中でも研究者なら、地域と積極的に繋がっていくこともできるのではないか。また、今後の研究に活かせる繋がりを作ることができるのではないか。

昨年からスタッフに加わり、今回初めて主担当となった宇野が立てた仮説をもとに、今回のRoundtripは始まりました。

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【福井県南越前町】

9/14のお昼に南越前町に集まった参加者は5名。9/15に開催される「街道浪漫今庄宿」というイベントの出店のお手伝いをします。とりあえず昼食をとりながら自己紹介をして、南越前町の地域おこし協力隊と合流。今回は福井テレビの取材が同行するという状況で、地元メンバーとテレビクルーとでごちゃっとなりつつも準備作業開始。
準備をする中で、各々が自分のやっていることなどを話しながら徐々に打ち解け、1日目の作業は終了。夕食は翌日お世話になる地域の方をお招きしての食事会となりました。若い方が来て一緒に作業してくださることを大変喜んでくださいました。

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9/15早朝イベント会場へ。RoundTrip参加者は地域おこし協力隊のねぎもちの店と、流動創生拠点のご近所の長沢地区の方々が出すきびだんごの店を1時間交代でお手伝いしていきます。休憩時間には今庄宿内やイベントを見て回り、地域の様子を体感してもらいました。

長沢地区の方々は入れ替わりでやってくる参加者を快く受け入れてくださり、地域のことやイベントのこと等いろいろな話ができたようでした。やはり、地域の方との距離を縮める第1歩としては同じ目標に向かって一緒に何かをするのが良いと思います。
イベントも盛況に終わり、片付けが終了した後は地域の宴会に合流させていただきました。参加者と地域の方で、この地域が直面している問題を真面目に話したり、たわいもない話で笑ったり、趣味の話に花が咲いたりしたようです。

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【奈良県大淀町】

翌9/16は南越前町を出発。ここで2名の参加者とお別れすることに。
そして福井テレビのカメラクルーが車に同乗、奈良へ向かう車中でのインタビュー収録となりました。
流動創生のあり方を話す参加者の皆さん。この短期間で南越前町の流動創生という事業につい感じたことや考えを話してくださいました。
奈良県大淀町の受入先は大淀町地域おこし協力隊の外狩さん。彼はゲストハウスを立ち上げることを目標に、借りている空き家を改修しながら暮らしています。
RoundTripでの訪問を相談したときも「面白そうですね!どうぞどうぞ!」と快諾してくださいました。
ゲストハウス予定のお宅はとても立派で、お庭の手入れだけでも大仕事。RoundTrip参加者は家の中や外のお掃除をお手伝いしました。

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庭でバリバリと機械を使って草を刈ってくださっているのは近所の美容師さんだったり、窓掃除をしているのはゲストハウスづくりの仲間だったり、愛知からやって来た学生さんだったりと、外狩さんの人脈でいろんな人が集まっていました。
その中にRoundTripの参加者が混ざり、また途中、去年までのRoundTrip参加者も現地合流したりと、今回のお手伝いを通じて新しい関係が生まれていくようでワクワクしました。
夕方からはBBQ。大淀町に移住した雑誌編集者・シェアオフィスを使っている建築士・吉野町の役場職員・ゲストハウスオーナーなど、さまざまなお仕事や立場の方が集って、さながら異業種交流会のようでした。お互いの共通項や新たな気づき発見したりする時間はとても有意義なものでした。

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【鳥取県大山町】

奈良県大淀町を出発して一路鳥取へ。大阪を抜ける際に渋滞に巻き込まれつつも、昼過ぎに鳥取県大山町の神田展望台へ到着。天気はあいにくの曇り空で、風も冷たく肌寒いくらいでした。展望台から見える芝畑に「流」という字を描いて待っていてくれたのは、元地域おこし協力隊の佐々木さん。

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協力隊を辞めて自ら起業し、大山町で活動されています。展望台でお弁当を食べながら自己紹介し、芝畑を見学します。芝を作っている畑を見るのはみんな初めてで、芝刈り機の説明や芝の育成方法、どういうところに出荷されているのかなどを興味津々で聞きました。牛が放牧されていたりする芝畑の風景に、日本ではないような感覚になりました。

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芝畑の見学の後は農家さんのお手伝いに行きます。専業農家の國吉さんも元地域おこし協力隊で、そこから専業農家へ独立したそうです。さつまいもを掘りながら、國吉さんが協力隊になった経緯やその後の活動などをお聞きしたり、参加者側がどのようなことをやってきているかを話したり。山の芝畑では今にも雨が降りそうな天気でしたが、山を下りて平野部に来ると空は晴れていてちょっと暑いくらいでした。山の天気と平野の天気がこんなに違っていることや、畑の土の良い香りが大山の魅力を伝えてくれている気がしました。
収穫の後は「フレスコボール」というスポーツを体験。みんなでボールを打ち合っていい汗を流しました。
山の方にある豪円湯院という温泉に入った後は、佐々木さんが運営してている「シゴト場カケル」というシェアオフィスのメンバーとBBQです。
大学のプログラムとして地域おこし協力隊をしている学生や、大山でデザイナーとして起業した人など、多様な生き方の人たちが集い仲間として活動していることを知りました。

研究者向けプログラムとして

研究者向けとしては、例えば研究内容を踏まえた訪問場所や活動の設定、各地域でのインプットについて、行程中や行程前後にブラッシュアップする仕組みなど、まだまだ調整や工夫ができる部分もありそうです。
まずは地方地域の概況を把握するために、複数の地域に触れてもらい、「地方」と一言では括れない地域の多様性を実感し、地域の分類・分析の指標をイメージする機会にはしてもらえたのではないかと思います。また、同じように「地域を学ぶ」視点で集まった参加者同士で話すことで、自分の立ち位置や視点を明確にする機会にもなったのではないでしょうか。
また、これまでのRoundTripと同様に地域の生業に触れ、地域の方々とお話しすることで、さまざまな気づきや新しい価値観に出会うこともできました。短期間で複数の地域を周るハードな行程だからこそ、関わった地域で得たものは色濃く残るものだと思います。その一瞬の縁が、受け入れ側にも訪問側にも意味のあるものとなることを願っています。

 

写真=宇野 朱美
文=宇野 朱美・荒木 幸子(FlowLife Laboratory/流動創生)

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